創造性 『思考の整理学』

2017/06/23

20年以上日本の経済成長は止まったままですが、こういう時代だからこそ付加価値が高い、「創造性」が求められます。

 

そこで今回ご紹介するのが、外山滋比古『思考の整理学』(ちくま文庫)です。

 

著者は、定評のあるエッセイリストですが、その創造的な発想法でも注目されています。

 

たとえば、

 

・人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居している。グライダー能力をまったく欠いていては、基本的知識すら習得できない。何も知らないで、独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるかわからない。

 しかし、現実には、グライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、という“優秀な”人間がたくさんいることもたしかで、しかも、そういう人も“翔べる”という評価を受けているのである。

 学校はグライダー人間をつくるには適しているが、飛行機人間を育てる努力はほんの少ししかしていない。

 

・まったく何もないところにインスピレーションがおこるとは考えられない。さまざまな知識や経験や感情がすでに存在する。そこへひとりの人間の個性が入って行く。すると、知識と知識、あるいは、感情と感情とが結合して、新しい知識、新しい感情を生み出す。・・・(中略)・・・ものを考えるに当たって、あまり、緊張しすぎてはまずい。何が何でもと焦るのも賢明ではない。むしろ、心をゆったり、自由にさせる。その方が面白い考えが生まれやすい。

 

などなど、創造的な人間になるためのヒントが述べられています。

 

思考の整理学 (ちくま文庫) 思考の整理学 (ちくま文庫)
 
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