当院では、学童期から壮年期までの幅広い年齢層の
「引きこもり」相談が寄せられます。解決するためのキーワードは
「共依存」です。引きこもりしている本人を
支える関係者(イネイブラー)の優しさが裏目に出ているわけです。俗に言う
「慈悲魔」です。
このテーマで参考になる良書が、
二神能基、久世芽亜里『引きこもりの7割は自立できる』(新潮社)です。
著者の久世芽亜里氏は、1998年に
「レンタルお姉さん」という名称で、引きこもり当事者の自宅への訪問支援を開始した方で、その支援経験からとても有益な教訓を述べられています。
たとえば、
・私たちが出会ってきた引きこもりの若者のほとんどは、
「自立できる人」です。病気や障害などで自立が難しい人も確かにいますが、そんなに多くはありません。ですが世間一般に引きこもりは、自立はおろか、その状態からの脱出すら難しいイメージを持たれています。その理由には、
「支援のミスマッチ」が大きく関係していると考えています。
・閉じた状態の家族を「開く」に当たっては、親がぜひ
子離れをしていただきたいと思います。私たちのようなところへ相談に来る親、こういった本を手に取る親は、ほぼ間違いなくて子育てに熱心です。・・・(中略)・・・そして知らず知らずのうちに
過干渉になっている可能性があります。・・・(中略)・・・親子の
距離が近すぎるのです。親子の距離を取ることが、引きこもり解決への重要な突破口になります。・・・(中略)・・・親の方から子離れをして、子どもが
外の世界に向かわざるを得ない状況を作ってください。親子ががっつりと向かい合っている世界に、第三者はなかなか入っていくことができません。
などなど、問題解決の核心が突かれています。イネイブラーが、引きこもり当事者から離れるには、「相手の可能性を
本気で信じているか?」が問われます。
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