良心の有無『サイコパスの真実』

2026/05/17

人口の1%に、サイコパス(良心を欠く者)がいるとされています。つまり、日本には100万人を超えるサイコパスがいるわけです。こういった方々は、反社会的行動を取ることが多く、良心の呵責を感じにくいため、治療しに精神科に来るより、刑務所にお世話になることが多いようです。

サイコパスは、精神医学では「反社会性パーソナリティ障害」と呼ばれ、本人に病識があれば、治療することが可能です。そこで、今回ご紹介するのが、原田隆之『サイコパスの真実』(ちくま新書)です。

本書では、サイコパスに関する最新知見が紹介されていて、特に治療論が刮目されます。

たとえば、

良心が欠如しているとは、どういう状態だろうか。それは、他者への思いやり配慮を欠きという感情のない状態である。自分の行動によって、相手がどうなろうが、まったく気にかけない状態である。

・まず、専門家が口をそろえるのは、「サイコパスの治療は極めて難しい」ということである。「不可能」と断言する者もいるし、そもそも治療の対象とは考えていない者すらいる。その場合、もっぱら刑事司法的な対処、すなわち拘禁などの刑罰に頼ることになる。

・アラバマ大学のサレキン(Randall Salekin)は、サイコパス治療に関する論文のメタアナリシスを行った。その結果、サイコパス治療全体の平均成功率は、62%で有意な治療効果が見られていた。

といった具合に、本人に治療意思があれば軽快できるし、特に、認知行動療法と薬物治療が効果的だといいます。他人への愛を欠いた“自己中”発想が、サイコパスの病因なので、「自分がしてもらいたいように、他人にもしてあげる」という黄金律を腑に落とせれば治るのです。
 
溝の口精神科・心療内科医が教える:うつ病予防のためのヒント

アーカイブ

PAGE TOP