「ストレスは人生のスパイス」と言ったのは、ストレス学の父、
ハンス・セリエですが、実際に、人生で出会うストレスには、
人間を成長させる力があります。
そこで参考になるのが、
ケリー・カクゴニガル『スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール』(日経BP社)です。
本書では、
「ストレスパラドックス」と言って、ストレスには、人間の心身に害になる場合もあれば、健康に良い場合もあることを述べています。
たとえば、
・「ストレスは健康に愛を与える」と信じている場合に、「ストレスを多く感じることは、心臓病にかかったり、死亡したりするリスクが高くなることと関係がある」と分かっています。言い換えれば、
「ストレスを多く感じること」「ストレスは体に害だと考えること」、この2つの組み合わせによって、心身の問題を引き起こすリスクが高まる、とも言えるのです。
これとは対照的に、
「ストレスを多く感じながらも、ストレスには何らかのメリットがあると思っている人」は、より健康的で、幸せで、仕事でもいい結果を収めています。
・2005年から2006年にかけて、調査会社ギャラップが実施した世論調査で、世界121か国、12万5000人に対して、「昨日、多くのストレスを感じました?」という問いかけをしました。・・・(中略)・・・
ストレス指標が高ければ高いほど、国も豊かだという結果だったのです。「昨日、多くのストレスを感じた」と答えた人が多い国ほど、平均寿命やGDPが高かった。「ストレス指標が高いほど、
国民の幸福感や満足度も比例して高い」ということも、この調査結果は示した今した。
などなど、ストレス自体はあくまでも価値中立的なものであり、
ストレスを受ける人の価値観によって、悪にも善にもなることが分かります。
溝の口精神科・心療内科医が教える:うつ病予防のためのヒント