心因性疼痛 『心はなぜ腰痛を選ぶのか』

2020/07/08

腰痛持ちで悩んでおられる方がけっこうおられます。いわゆる「ぎっくり腰」は、発症前後でMRI検査をしても、筋骨格系に大きな変化が見られないことが多いです。痛みには精神的ストレスが大きく関わっているのです。

 

そこで、今回紹介するのが、J.E.サーノ『心はなぜ腰痛を選ぶのか』(春秋社)です。

 

著者は、ニューヨーク医科大学の教授ですが、腰痛の多くに精神的ストレスが関わっていることを発見し、本書でその対処法を述べています。

たとえば、

 

・私は自分の患者に、背中や腰にはまったく何の問題もありませんと伝え、この痛みは無害であり、身体ではなく心を介して治療しなければなりませんと説明した。気づき、洞察、知識、情報がこの疾患を治す魔法の薬だった。それ以外に治す方法はなかった。

 

・患者は発症の瞬間にポントかパキンという音が聞こえたと訴えることが多いが、症状を説明できるような構造異常が生じた形跡は見つかったためしがない。

 

・暮らしのなかで苦痛に感じていることをすべて書き出そう。そうした苦痛はどれも内的な憤怒の原因になっている。中には自ら課しているプレッシャーもあり、これは真面目な完全主義者、善良主義者に特有のものだ。

 

などなど、痛みの原因になっている精神的ストレスを整理するのが、根治につながることがよく分かります。

 


アーカイブ

PAGE TOP