老いと信仰 『ボクはやっと認知症のことがわかった』

2020/04/22

厚労省によると、2025年には約700万人の高齢者が、認知症になると推計されています。高齢者の実に5人の1人が認知症になる計算です。何事も「準備8割」なので、病気になってから慌てるのではなく、あらかじめ対策をたてておくことが必要です。

 

そこで今回おすすめなのが、長谷川和夫『ボクはやっと認知症のことがわかった』(角川書店)です。

 

著者は、認知症の標準検査テスト「改訂 長谷川式簡易知能評価スケール 」(HDS-R)を開発した医師で、認知症の日本医学界の権威です。著者は現在91歳ですが、88歳で自身も認知症になったといいます。

 

本書では、自分が認知症になって、はじめて気づいた教訓がわかりやすく述べられています。

 

たとえば、

 

・日曜日は原則、教会に行きます。・・・(中略)・・・認知症になってガックリ落ち込んでしまう方もいますが、ボクがあまりそうならなかったのは、キリスト教の信仰を神様が与えてくださっていることも大きいのではないかと思います。認知症にかぎらず、難しい病気にかかったり、苦難や困難に襲われたりしたとき、自分一人で考えていると気が滅入って鬱々としがちです。そうしたとき、宗教の道に進んでみる、お祈りをしてみる。それもよいのではないでしょうか。

 

などなど、「老いや病に信仰が癒す力を持っている」ことを実感させてくれます。

 


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