現在、IR汚職事件が世間を騒がせていますが、そもそも論として、IR(統合型リゾート)は「ギャンブル施設」であり、ギャンブル依存症の危険性が高まります。安倍政権は、なぜ、国民をギャンブル漬けにさせようとするのか、さっぱり分かりません。個人でギャンブルをやれば違法になるのに、国がやれば違法にならないというのでは論理矛盾です。
ギャンブル依存症の危険性を浮き彫りにした伝記として、井川意高『熔ける』(幻冬舎文庫)があげられます。
著者は、製紙会社大手の大王製紙前会長で、ギャンブルの負けにより100億円以上の負債を大王製紙グループに与え、背任罪で懲役4年間の実刑判決を受けています。
本書では、ギャンブル依存症により、理性が麻痺し、会社の金にまで手を付けていく様がまざまざと描かれています。
たとえば、
・そのとき私の目の前には、サラリーマンの平均生涯賃金のおよそ10人分に当たるチップが山積みにされていた。総額20億円。・・・(中略)・・・「いったい今日は何月何日なのだろう。いつ食事を取ったのだろうか。酒は一滴も飲んでいないし、ミネラルウォーターすらいつ口にしたのか記憶がないな・・・」私がシンガポールにやってきてから、すでに2晩が経過していた。カジノのVIPルームで勝負を始めてから、あっという間に48時間が経とうとしていたのだ。時間の感覚などとっくに消失し、眠気も食欲もまったく感じられない。
・2007年6月に大王製紙の社長に就任して、2年が経ったあたりからだ。カジノへの熱の入れ方は急激にエスカレートしていった。・・・(中略)・・・1ゲームに1000万以上ものチップをつぎ込むようになった。
などなど、ギャンブル依存症が人生をいかに破滅させるかが分かります。安部さん、国民にギャンブルでお金を使わせるより、消費税を下げればみんな消費し始めます。よく考えてください!
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