ゴミ屋敷で象徴される「溜め込み症候群」で来院される方が少なくありません。現在の診断基準(DSM-V)では、溜め込み症候群は「強迫性障害」に分類されますが、ゴミ屋敷はそれだけが原因ではありません。
そこで、このゴミ屋敷問題で紹介するのが、岸恵美子『ルポ ゴミ屋敷に棲む人々』(幻冬舎新書)です。
本書では、「セルフ・ネグレクト」を中心テーマにしながら、ゴミ屋敷解決のヒントをたくさん提言しています。ちなみに、セルフ・ネグレクトとは、「自分を放置・放任することにより、時間をかけて自分の健康や安全が損なわれていく」ことを指します。
解決するヒント(セルフ・ネグレクトの人たちへの支援)をざっくり並べると、
・関心のある話題から入ること
・生活スタイルを把握すること
・本人のプライドを壊さない対応を
・まずは目の前の困りごとを解決すること
・計画的に見守り、SOSを待つこと
・ゴミ屋敷をいかに片づけるか
などなど、実践的なアドバイスが具体的に述べられています。ゴミが捨てられずに、汚部屋やゴミ屋敷になって困っている関係者には役立ちます。
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