仁徳天皇 「現代語 古事記:決定版」

2012/06/28

ポジティブ心理学では、先人、賢人の智慧を学んで、私たちの人生の糧にすることをすすめます。

日本人の先人の知恵の結集の代表作が「古事記」「日本書紀」です。実際、二十世紀を代表する歴史学者、アーノルド・トインビーは、「12~13才くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる」と指摘しています。

残念なことに、戦後、義務教育の中で、古事記を積極的に学ばなくなりましたが、大人になっても、時に及んで、こういった日本人の源流になる古典を紐解きたいものです。

今回おすすめの良書が、竹田恒泰「現代語 古事記:決定版」(学研)です。

古事記といえば、神様の名前が多すぎて難解なイメージがありますが、本書では、非常に分かりやすく現代語訳されており読みやすくなっています。

先日、「消費税増税」法案が衆議院を通過したので、それに関連して、本書の中の第16代仁徳天皇の御治世の箇所を引用してみます。

「さて、天皇は高い山にお登りになり、四方の国土をご覧になり『国中に炊煙が立ち上っていない。国内は皆、貧しいのだろう。今から3年の間、ことごとく人民の課(みつぎ)と役(えだち)を免除しよう』と仰せになりました。

そのため、宮殿は破れ壊れ、ことごとく雨漏りするようになってしまいましたが、全く修理することなく、器でその漏れる雨を受け、漏れないところに移って避けました。

やがて天皇が国中をご覧になると、国土に煙が満ちていました。そこで、人民が豊かになったと思し召し、ようやく課と役を課しました。

こういうわけで、百姓は栄え、役使に苦しまなくなりました。そのため、その御世をたたえて聖帝(ひじりのみかど)の世というのです。」

とあります。

仁徳天皇は、現代の政治家と比べて、なんと「徳」のあることでしょうか!!デフレと東日本大震災で日本の景気が悪いのに、消費税増税することが、いかに理にかなっていないかが明らかです。

現代の政治家にも、古事記ぐらいは読んでもらって、少しは先人たちの智慧に学んでもらいたいものです。


現代語古事記: 決定版/学研パブリッシング

 

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