潜在能力 「予想どおりに不合理」

2012/07/05

2002年のノーベル経済学賞は、「行動経済学」を開拓したダニエル・カーネマンでした。行動経済学こそ、人間の潜在能力、潜在意識について経済学の観点から説き明かした学問なのです。

最近では、「潜在能力や潜在意識など存在しない!!」と豪語する自称科学者がいるのですが、その主張が全くナンセンスであることが、行動経済学の研究結果からも明らかです。

行動経済学に関する書籍は、最近多数出版されていますが、その中で読みやすい良書の一冊が、ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」(早川書房)です。

本書では、人の経済行動に与える潜在意識、潜在能力について、さまざまな面白い研究結果を提示しています。

たとえば、P307の「価格とプラシーボ効果」があります。

参考までに、プラシーボ効果(プラセボ効果)とは、偽薬(たとえば、単なる砂糖玉!)を処方しても、効果がある良薬だと信じ込む事によって実際に症状の改善がみられることをいいます。

これが、偽薬の値段が高いほど、プラシーボ効果が高いことが分かったのです。つまり、値段が高い偽薬ほど、症状の改善がみられたといいます。

このように、人間の潜在能力は、すごい力を持っていることが実証されているのです。ポジティブ心理学では、この潜在能力に光を当て、さまざまな手法を通して、発揮するようサポートしていきます。


予想どおりに不合理[増補版]/早川書房

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