信仰と医学 『すべては救済のために デニ・ムクウェゲ自伝』

2019/06/12

心理学の疫学研究では、「信仰がうつ病を防いだり、寿命を伸ばしたりする」ことが分かっています。「信仰と医学」が手を携えて、人々の心身を癒していくことが理想なのです。

 

今回ご紹介するのが、2018年のノーベル平和賞受賞者、デニ・ムクウェゲ氏の『すべては救済のために』(あすなろ書房)です。

 

ムクウェゲ氏は、母国のコンゴ民主共和国に婦人科病院(パンジ病院)を開業し、無料で、性的暴力を受けた被害婦女たちを治療し、これまで4万人以上の支援に当たってきたそうです。また、同氏の父親はプロテスタントの牧師で、小さいころから信仰の大切さを学んできたといいます。

 

本書では、信仰と医学の連係を訴えています。

 

とたえば、

 

・私は、暴力に打ち勝つことのできる唯一のものはだと繰り返し説いてきた。そう、一にも二にも愛なのだ。

 

・パンジ病院の一日は祈りから始まる。祈りは患者と病院スタッフの心をつなぐ大切なひとときだ。私とスタッフは病院の未来について大きな夢を抱いている。できる限り最良の医療を提供するという夢だ。

 

・一心不乱に祈っていると、突然、神霊が私の心をとらえた。その時私はぬくもりのようなものに包まれ、自分は独りではないという安心を得た。その経験はとても特別で、これからの人生はこれまでとは違うのだとはっきり分かった。

 

などなど、「医術は信仰が土台になる」と感じさせられます。

 

すべては救済のために――デニ・ムクウェゲ自伝 すべては救済のために――デニ・ムクウェゲ自伝
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