中国と宗教 『四書五経入門』

2019/07/25

中国共産党政府による宗教弾圧が続いています(たとえば、ウィグルの強制収容所)が、本来は、中国でも、仏教、道教、儒教などがさかえ、宗教が自由闊達に栄えていました。共産主義は唯物論なので、霊性を認める中国文化とは本来合わないはずです。

 

ただ、儒教は宗教ではないと指摘する学者もいますが、そうではありません。そこで今回ご紹介するのが、竹内照夫『四書五経入門』(平凡社)です。

 

儒教は四書五経に集約されていますが、本書を読めば、これらの経典にたくさんの霊界思想が盛り込まれているのが分かります。

 

たとえば、

 

・古代の中国社会においてばかりでなく、一般にとか儀礼とか呼ばれる形式的行為にはおよそに種類があって、一つは畏敬の礼、他は和平の礼である。・・・(中略)・・・この種(畏敬)の礼の行為は、その対象が精霊霊魂などである場合と、酋長や王や君長や族長や、あるいは侵略者や征服者など、つまり人間であるばあいとで相異なる形式をつくり上げるのが自然であるが、しかし基本的には両者同一である。

 

・孟子の思想の根本原理はであって、これは中国古来の信仰である。天は万物を生み、人類を生み、万民のために賢人を選んで君たることを命ずる。

 

などなど、儒教的な中国文化の理解が深まります。霊性や宗教性は、どの民族でも必要なのです。

 

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