失敗体験は人生の宝 『あの天才がなぜ転落』

2019/08/09

「失敗は成功の母」「ピンチはチャンス」など、人生は失敗から学べる教訓がたくさんあります。学問的には「失敗学」と言われています。そう考えると、失敗体験が多い人ほど、人生の宝物をたくさん持っていると言えます。

 

そこで今回ご紹介するのが、玉手義朗『あの天才がなぜ転落』(日経BP社)です。

 

本書では、ニコラ・テスラ、金子直吉、ジョン・ロー、松本重太郎などの伝説の12人の天才を事例にして、その失敗から学べる教訓が述べられています。

 

たとえば、

 

・(ニコラ・テスラの事例)テスラの世界システムは、極めて「大がかりな構想」だった。高度な技術を多く要する無線送電と無線通信を一度に実現しようとしたため、莫大な資金と人手が必要となり、軌道修正をすることが困難となった。最初からトップを狙ったテスラは、あまりに大きなスタートを切ったために、頓挫してしまった。これがテスラのもう一つの失敗の本質だったのだ。

 

・(西の渋沢栄一と呼ばれた松本重太郎の事例)マネジメント力の不足も、重太郎が失敗する要因だった。重太郎が経営に関与している会社は二十九社で、そのうち十二社でトップの地位にあった。日本経営史を研究する宮本又郎博士は、「松本重太郎はあまりに多くの事業に手を拡げ、それを自分自身や親しい者だけで経営しようとしたところに弱点があった」「重太郎のように関わる事業範囲が広範になれば、事実上いずれの会社においてもトップの職責を果たすのが困難になる」としている。

 

などなど、「欲を出し過ぎるといずれ破滅する」「大きな夢を実現するには地道な努力がいる」ことなどが学びになるます。

 

あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ「失敗の本質」 あの天才がなぜ転落 伝説の12人に学ぶ「失敗の本質」
1,728円
Amazon

 


アーカイブ

PAGE TOP