信頼の力 「北朝鮮14号管理所からの脱出」

2013/02/21

北朝鮮が、三回目の核実験をして、本格的な核武装の段階に入りました。日本国民の生命と財産が脅かされるのはもとより、北朝鮮の国民が可哀想でなりません。

北朝鮮は、核武装にお金をかけるより、まず飢えている国民に、衣食住を満たすよう政策転換すべきなのです。

今回ご紹介する書籍は、ブレイン・ハーデン「北朝鮮14号管理所からの脱出」(白水社)です。

「14号管理所」とは、北朝鮮の強制収容所の中でも、最も過酷で、監視が厳しく、万単位の国民が、死ぬまで重労働を課せられる「生き地獄」だそうです。本書は、そこから2005年に脱北したシン・ドンヒョクの体験を詳述しています。

私たちが生きていく上で参考になる教訓が満載されています。

たとえば、

シンがもうこれ以上は耐えきれないという結論に至ったのもそのときだった。彼は脱走について考え始めた。

パク(シンの囚人仲間)がいたからこそそんな発想も可能になった。・・・(中略)・・・もはやシンは、捕獲者に引きずり回されるだけの動物ではなかった。生き残りをかけた自分を助けてくれる仲間を見出したと、彼は確信した。

ナチスの強制収容所では、囚人同士の信頼の絆相互援護が彼らの正気を保ち、生き延びることを可能にしたわけだが、二人の関係にも多くの面でそれと通じるところがある。あちこちの収容所を調べた研究者たちは、「生存者の基本単位」は一個人ではなく、二人組であることを見出した。

とあります。

ポジティブ心理学でも、「24の性格の強み」の一つとして、「協調性・チームワーク」をあげています。孤独で気が萎えてしまうことでも、同志がいると継続することが出来ます。私たちも、そういった人生の同志を一人でも持てれば、それは「宝」と言っていいでしょう。


北朝鮮 14号管理所からの脱出/白水社


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