絶望からの生還 「命の授業」

2013/03/27

先週は、アメリカのマイアミ(フロリダ)で開催されたアメリカ心身医学会で研究発表してまいりました。当院で効果を上げている「HSC集団心理療法」がトピックで世界の研究者たちから、熱心な質問を受けてきました。

さて、今回ご紹介する良書は、腰塚勇人「命の授業」(ダイヤモンド社)です。

中学校の教員である著者は、2002年スキーで転倒して首の骨を折り、四肢麻痺状態に陥りました。当初は、人生を悲観して、舌をかみ切って自殺を図ろうとしたそうです。

しかし、心の持ち方をポジティブに変えることで、なんと、半年後には、職場復帰果たすまで回復したのです。

本書では、その奇跡体験が切々と書かれていて、私たちの胸を打ちます。たとえば、

・「助けて・・・」って言っていいんだって・・・気がつきました。「助けて・・・」って言えば、本当に、みんなが助けてくれることを知りました。

・「当たり前」だと思っていたことに、「幸せ」「感謝」を見つけました・・・

・そうなんだ・・・、人は生まれたときから「人を喜ばせる存在」で・・・苦しいことがあっても、乗り越えられる力をもともと持っている

・でもね・・・、「失敗」は悪いものではなく、「夢にまた一歩近づき、成長した証拠」なのです

などなど、実体験者ならではの力強い言葉で綴られています。

私たち一人ひとりに、眠れる「気力」が宿っています。「病は気から」といいますが、「もうダメだ!」と思えても、その眠れる気力を信じることで、気力が湧いてきて病が治ってしまうことがあるのです。


命の授業/ダイヤモンド社
 

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