アスペルガー症候群、自閉症、多動・注意欠損障害(ADHD)などの「発達障害スペクトラム」と診断された方は、他人と比べて、「普通でない」自分に悩むようですが、凹んだ部分で悩むのは早計です。
発達障害の人には、他の人にはない特殊能力が眠っていることが少なくありません。凸部分を伸ばしていくことが生き筋です。
本日紹介する書籍が、テンプル・グランディン「動物感覚」(NHK出版)です。
著者自身、自閉症と診断され、学生時代大変ないじめに遭っていたようですが、「動物の気持ちが分かる」という特殊能力を発揮して、コロラド州立大学准教授として現在活躍しています。
本書では、
・自閉症を持つ人は、動物が考えるように考えることができる。・・・(中略)・・・自閉症は、動物から人間へいたる道の途中にある駅のようなものだ。そのおかげで、私のような自閉症の人は「動物のおしゃべり」を通訳する絶好の立場にある。私は、動物の行動のわけを飼い主に説明できる。
という記述があり、この特殊能力を生かして、世界中の動物施設の改良に取り組んでおられます。
「眠れる潜在能力が発見し、それを発揮していく」ことこそ、ポジティブ心理学の中核理論です。
動物感覚―アニマル・マインドを読み解く/日本放送出版協会
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