虫の知らせ 「竹林はるか遠く」

2013/09/04

先人たちの体験談を読んでいると、ここ一番の「虫の知らせ」が逆境を抜け出すターニングポイントになっているようです。

心理学的にいえば、この虫の知らせは、「潜在意識からのインスピレーション」と言い換えられるでしょう。たまには、外部からの情報を遮断して自分の「内からの声」でに耳を傾けると、チャンスに強くなってきます。

そこで、参考になる書籍が、ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ「竹林はるか遠く」(ハート出版)です。

本書では、著者が太平洋戦争の終戦時に、朝鮮の羅南(らなん)から日本に引き上げる体験談を描写しています。そして、朝鮮の共産党軍に何度か、殺されかけますが、虫の知らせに助けられ命拾いしています。

たとえば、

・(著者がけが人を装って、赤十字の貨物列車で逃げていたところ、共産兵に列車が止まらされ、ほんとうに病人であるかどうか検査されていたところ)、「病人の名簿を見せろ」共産兵が命令した。別の共産兵が、銃の先でつつきながら、病人の間を歩いていった。私の歯はガチガチと鳴り、心臓はドキドキしていた。その兵士は私の横っ腹をついた。

「この子はいくつだ?」「六歳です」看護婦が返事した。

「この子はひどく背中を怪我しています」私は六歳じゃないと口を開こうとした、正にそのとき、人生で一度だけ口を閉じていなさいと、虫が知らせた。

とあります。もしこの時、共産兵に、著者の本当の歳が分かったら、指名手配されていたので逮捕されていたとのことです。

ポジティブ心理学では、この内なる声に敏感になるために、瞑想(メディテーション)をすすめています。

HSCの瞑想(めいそう)については→こちら


竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記/ハート出版

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