過労を考える 「長く働く人は病気にならない」

2013/11/27

「過労」でうつ状態になってHSCに来院される方が後を絶ちません。マスコミでは、「過労=長時間労働」と喧伝することが多いですが、だまされていはけません。単純に時間の長さだけでは、過労とは言えないのです。

そこで、今回おすすめの書籍が、船木威徳「長く働く人は病気にならない」(ディスカヴァー)です。

著者は、現役の内科医で月400時間も働いても、病気一つせずに元気に仕事が出来ているといいます。本書を読むと、長く働くことは、単純に「過労」とは言えず、逆に、心身の健康によいものだと納得できます。

たとえば、

・実は私は、この「自由裁量」の権限の有無が、「労働時間」以上にむしろ「疲労の蓄積」の度合いに関わってくるのではないかと考えています。・・・(中略)・・・長時間労働でも「やらされている感」でやっているのか、「自分からやっている感」でやっているのか、その本人の受け止め方ひとつで、大きな違いが出てくるということです。

・統計的データが示す通り、「生涯現役」で働く人の方が、定年退職後に完全にリタイアしてしまう人より、寿命が長いということがいえるのです。

・ストレス研究の第一人者であり、前述のストレスの定義やその仕組みを究明したハンス・セリエは、「ストレスは人生のスパイスである」という言葉を残しています。これは、適度なストレスをもたらすストレッサーに対しては積極的に対峙し、そのストレスを克服することで人間的に成長することが出来る、ということを言っています。

などなど、「仕事に対する見方がガラリと変わる」指摘をしています。

過労で苦しんでいる時は、仕事を単に「量」で考えるのではなく、その「質」を見直してみたいものです。


長く働く人は病気にならない/ディスカヴァー・トゥエンティワン

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