診療していると、頭では分かっていても、行動するための一歩が踏み出せない「グズ」の悩みが少なくありません。
そこでおすすめの書籍が、ロバート・ビスワス=ディーナー「『勇気』の科学」(大和書房)です。
本書を読めば、一歩を踏み出すための「勇気」をいかに向上させられるか、学ぶことが出来ます。
本書では、勇気の主要な要素を「行動意志」と「恐怖のコントロール」の2つに分けて考えています。
・勇気を妨げる「恐怖」は、「自分かわいさ」から生じる。利己的な考えから離れることによって、恐怖にうまく対処できるようになる。
・勇気とは多くの場合、他者のためのものだということです。私たちは、自分のことで不安や恐怖を感じます。しかし、行動によって他者に影響を与えられるー特に、他者を助けられるーと考えることで、勇気指数を高めることが出来るのです。
・ミスや失敗を学びの機会だとみなすことによって、行動意志を高めることができます。
・目標達成によって得られる価値に注目する「獲得型」の思考をすることによって、行動意志を高めやすくなります。
などなど、勇気を高めるための実践的なアドバイスが少なくありません。
ポジティブ心理学でも、「勇気」は重要な徳目のひとつで重視しています。情報化社会に生きる我々は、ともすれば、知りすぎるがゆえに、臆病になってしまう傾向があります。情報を集めても、成果に結びつけるには、最後に行動しなければなりません。「最後は度胸!」なのです。
「勇気」の科学 ~一歩踏み出すための集中講義~/大和書房
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