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さて、今年4月に消費税が8%に上がり、来年には10%に再度上がる予定になっています。政府やマスコミの発表では、消費税増税による景気の冷え込みはないとのことですが、患者さん方の声をきく限りでは、かなり景気が冷え込んでいるようです。
「備えあれば憂いなし」です。現代社会では、どの立ち位置にいたとしても、外部環境により影響を受けます。世情の動きを見ながら、戦略的に仕事をしていく必要がありそうです。
今回ご紹介するのは、杉本宏之『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』(ダイヤモンド社)です。
著者の杉本氏は、24歳で不動産会社を起業し、28歳(2005年)で、史上最年少で株式上場を果たし、事業を拡大させました。しかし、リーマン・ショックに対処しきれず、32歳(2009年)で負債約200億円を抱えて会社倒産します。本書では、その苦境から再度起業するまでの復活ストーリーが述べられています。たとえば、
・銀行借入だけで210億円、合計負債は250億円を突破して、自己資本比率はついに15%を切っていた。個人、ファンドを合わせれば400億円に近い負債である。2008年に入ると、銀行からの融資はほとんどストップしてしまう。銀行の態度が豹変すると、エスグラント(杉本氏の会社)が転げ落ちるのにそれほど時間はかからなかった。・・・(中略)・・・私は自分自身が深刻なモラルハザードを起こしていることにすら気づけないほど、業績の魔力に取り憑かれていた。
・ある日、債権者にさんざん絞り上げられた末、深夜に帰宅してシャワーを浴びていると、短く刈り上げていた頭から髪の毛がポロポロと抜け落ちた。
・私が新しい事業の基軸として選んだのは、やはり不動産の道だった。雌伏の2年。・・・(中略)・・・2011年、私が新会社をスタートさせてしばらくすると、元エスグラントのメンバーが続々と集まってくれた。あれだけ醜い会社売却やリストラを断行したにもかかわらず、再びたくさんの社員たちが戻ってきてくれたのだ。・・・(中略)・・・感謝というひと言では足りないほどに、本当に、ありがたいことだと思う。
などなど、相当な苦境であったことが分かります。
一般には、借入金の自己資本率が30%を切るとかなりやばいと言われていますが、杉本氏の会社では、それよりはるかに低い15%以下であったと言います。リーマン・ショックの影響をもろに受けた理由のひとつでしょう。ちなみに、トヨタなどの超優良企業では、「無借金体質」を堅持していて、急激な外部変動にも強いようです。
個人であっても、組織であっても、当初の目的を忘れずに、堅実な経済行動を心がけたいものです。
30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由/ダイヤモンド社
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