後天的努力 『双子の遺伝子』

2014/10/08

しかし心配ご無用です。これまでの先行研究では、遺伝で決まっている部分は、それほど多くないことが分かっているのです。

最近の一般啓蒙書でおすすめが、ティム・スペクター『双子の遺伝子』(ダイヤモンド社)である。

たとえば、

・どんな病気も、これまで発見された遺伝子で説明がつくのはせいぜい5%程度だ。残りの95%は何によるものかという謎が、科学者たちを悩ませている。自分が何を知らないのかということさえわからない、というのが大方の結論だ。

・ジェームズ・ファウラーは、ニューイングランドの住人5000人を20年にわたって調査し、社会的ネットワークと幸福度の変化を記録した。すると、幸せな人は幸せな人どうし、不幸な人は不幸な人どうしが、集まって暮らす傾向があることがわかった。その傾向は遺伝子や家系では説明できなかった。・・・(中略)・・・幸せがウイルスのように広がっていたのだ。1マイル(約1.6キロ)以内に幸せな友人がいると、幸せになる確率は4分の1高くなり、距離が縮まると、確率はさらに高くなった。

などなど、私たちが後天的努力によって、ハッピーになれるという研究結果が満載の良書です。

最後に大変恐縮ですが、来週と再来週のブログ更新(10月15日と22日分)は、国際学会参加(イタリア、10月14日~23日)のためお休みさせていただきます。10月29日から再開いたします。


双子の遺伝子――「エピジェネティクス」が2人の運命を分ける/ダイヤモンド社

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