日本の美点 『住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』

2014/11/19

人間、日常生活に慣れてしまうと自分の置かれている“ありがたさ”が見えなくなってしまうものです。私も、たまに海外に旅することで、日本の良さを再認識するようにしています。

今回ご紹介するのは、川口マーン惠美『住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』(講談社)です。

30年あまりドイツに住む著者は、日本の素晴らしさを日々実感するそうです。

たとえば、

・私は日本で遭遇したスリの話を書けといわれたら、何も書けない。その代わり、落とし物をして戻ってきた話は、たくさん書ける。・・・(中略)・・・一方、30年以上も住んでいるドイツでは、落とし物をして戻ってきた話は一つも思いつかない。

・私はコンビニの国の住人だ。ドイツでさえ不便なのに、ノルウェーのように、不便をこよなく愛するような人々の間では、とても生きていけそうにない。

靖国神社に至っては、なぜ、参拝を非難されるのかさえ、私にはよくわからない。戦後これまで、私たちが平和に暮らしてこられたのも、これほど早く豊かになれたのも、過去に、身体を張って国を守ってくれた人がいたおかげだ。・・・(中略)・・・靖国神社には、それを防ぐために戦い、死んでいった人たちが祀られているのだから、今でも感謝のお参りに行く人がいるのは当然のことだ。戦争には負けたが、植民地にならなかったのは、彼らの陰だ。

などなど、歴史観も含めて、日本の素晴らしさを再確認するのには最適な一書です。


住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち (講談社+α新書)/講談社

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