祈りが健康に及ぼす研究は世界中で進められています。その先駆けとなるのがフランスのルルドの泉です。毎年数万人の巡礼者がいて、バチカンの認定が得られた病気治癒の奇跡も数十例に上ります。
そこで今回ご紹介するのが、帚木蓬生『信仰と医学』(角川選書)です。
本書では、精神科医の著者が、ルルドの泉を視察した報告と共に、その歴史や奇跡の意味について述べています。
たとえば、
・実際にルルドを訪れて宗教的諸行事に参加すると、非キリスト教信者でも、自分を超えた大きな力の存在を感じる。その偉大な腕(かいな)の力の中に自分が抱かれているのが分かる。小さな米粒のような存在である自分が、ここではそのまま受け入れられ、米粒として何がしかの生の意味を付与されているのを実感する。
など、著者の人生観が劇的に変わったことを赤裸々に述べています。私も、来年ぐらいにはルルドの泉に行ってみたいと思いました。
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