日本人の3分の1は、がんで亡くなります。ただ、その予後は人によってまちまちで、統計的予測だけでは決まりません。たとえば、心の持ちようでがんの予後が良くなることが報告されています。
そこで今回ご紹介するのが、保坂隆『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』(朝日新聞出版)です。
著者は、サイコオンコロジーを専門とする医師ですが、がんの心身相関に関する有意義な知見を紹介しています。
たとえば、
・あの世はあるのか、ないのかあると考えた方が心が楽になります。
・がんになった「原因」を探すのは意味がありません。むしろ、がんになった「意味」を考えましょう。
などなど、参考になります。ただ、がんになった「原因」を分析して整理することで予後が良くなることもあるので、「意味がない」と断言するのは問題です。