国際情勢 『「アジアインフラ投資銀行」の悲惨な末路』

2015/06/17

グローバル社会においては、国内情勢だけでなく、交際情勢にもアンテナを張ってビジネスをすすめる必要があります。特に、近隣の中国の情勢には目を見張っていなければなりません。

そこで今回の推薦図書は、宮崎正弘『「アジアインフラ投資銀行」の悲惨な末路』(PHP研究所)です。

中韓情勢に詳しい著者ですが、最近何かとマスコミを騒がしている「アジアインフラ投資銀行」を中心に、中国情勢について分かりやすく述べています。

たとえば、

・周知のように、三兆八千四00億ドルあるとされる中国の外貨準備は空っぽ。虎の子の米ドルは、高級幹部や国有企業の経営者等によって海外へあらかたが持ち出されている。加えて無謀な海外投資、プロジェクトへの出資やら外国企業の買収などで外貨準備が底をついた。

・習近平政権が力点を置く、「反腐敗キャンペーン」だが、従来の教訓が示すように、成功する見込みはほとんどない。一党独裁体制の弊害や、透明性を欠いた経済運営、会社情報操作、政府が統制するメディア、法治の欠如が原因だが、それだけではない。反腐敗キャンペーンと宣伝しながらも、その標的が偏っている。即ち習の権力闘争が密接に絡む反腐敗キャンペーンは江沢民元主席に連なる人々を選択的に追求しているため、かえって政治的軍事的リスクが高まるという危険性がある。

・中国のGDPは日本の二倍だが、実質の経済実力で中国は日本に四十年遅れている。一人当たりのGDPは中国が7000ドル弱なのに、日本は四万ドルである。

などなど、中国通ならではのリアリスティックな情報が満載です。

中国からの情報は、情報操作されているので、中国情勢を分析する際には特に注意が必要です。


「アジアインフラ投資銀行」の凄惨な末路/PHP研究所

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