ピンチをチャンスに変える 『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』

2015/07/15

ポジティブ心理学では、楽観主義を重視しますが、「お気楽な楽観主義」は勧めません。大事なのは、問題にはしっかり取り組む「現実的楽観主義」なのです。

そこで、今回お勧めなのが、トッド・カシュダンら『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』(草思社)です。

本書では、ポジティブ感情だけでなく、ネガティブ感情も人生の成功には必要だと述べています。

たとえば、

・(マラソンの)レース終盤、選手たちは、「怒り」「自己懲罰」「ライバルを叩きのめしたいという攻撃性」その他のいわゆるネガティブ感情を総動員して、自らの能力を押し上げようとする。ポジティビティや楽観主義が、成功の80%に関わるとすれば、残りの20%は、あらゆる心理状態を活用することによって可能になる。

・我々はこれを、20%のネガティブ優位性と考える。ホールネスを持つ人とは、約80%の時間はポジティビティを感じ、残りの20%の時間はネガティビティを有益に使える人のことだ。

・不正に立ち向かおうとする時、「怒り」は「幸福感」に勝る。忍び寄る危険を警戒する時、「不安」は「幸福感」に勝る。損失や個人的問題に対処するために援助を求める時、「悲しみ」は「幸福感」に勝る。

などなど、ポジティブとネガティブのバランスが大事なのだと分かってきます。

ネガティブ感情が湧いた時、思わず目を背けたくなるものですが、いったんそれを受け止めて、しっかり対処してから、ポジティブ感情に向かうことが重要なのです。


ネガティブな感情が成功を呼ぶ/草思社

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