HSCでは、退行催眠による「前世療法」を使って治療することがあります(詳しくは、拙著『ポジティブ三世療法』をご参照ください)が、催眠を使った診療の元祖は、アメリカのエドガー・ケイシー(1877~1945)です。
彼の伝記を紐解くと、医療の原点が垣間見えてきます。そこで、お勧めなのが、トマス・サグルー『永遠のエドガー・ケイシー』(たま出版)です。
たとえば、
・エドガー・ケイシーは透視力により43年もの間、医学的診断を行いました。彼は患者自身の口述書や、医者による報告書を含む数百にのぼる臨床報告書と、約三万件にのぼる速記による医学的診断の報告書をARE(エドガー・ケイシーの指導のもとに設立された研究啓蒙団体)に残しました。アメリカ全土には、必要とあればケイシーの診断の正確さ、その治療法の有効性について、いつでも証言してくれる人たちが数百人もいます。
・エドガー・ケイシーは病人を助けること、霊的助言、あるいは職業上の助言を与えること以外に自分の能力を用いることはありませんでした。また自分の能力を講習の前で実演してみせるようなことも決してありませんでした。彼はステージに上ることもなく、名声を求めることもなく、予言をすることもなく、富を求めることもありませんでした。
などなど、病人を助けるという「愛」のために活動していたことがうかがえます。「医療は愛である」という原点を忘れてはなりません。
永遠のエドガー・ケイシー―20世紀最大の予言者・感動の生涯/たま出版
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