世間知 『大放言』

2015/11/11

世間から遊離した妄想や幻覚に悩んで、来院される方々がいらっしゃいます。統合失調症として治療が必要になりますが、世の動きにアンテナを張ること(世間知)で、世間から遊離しなくなってきます。

今回おすすめなのが、百田尚樹『大放言』(新潮社)です。

著者は、一昨年、ミリオン動員した映画「永遠の0」の原作ですが、本書では、世間で起きている事象に歯切れ良く切り込んでいます。

たとえば、

「やればできる」という言葉は、「やればできた」者が言う言葉だと思う。過去に頑張った結果、あることを達成した経験のある者だけが口にできる言葉なのだ。人は努力を重ねることで、どれだけ「やれば」どれだけ「できる」かと言うことを体で覚えていく。

・最近の若者は仕事を「好きか、嫌いか」で決める傾向があるという。私に言わせれば、なんという贅沢な考え方だと思う。仕事は生活のためにするもので楽しんでやるものではない。「好き、嫌い」で選ぶなら、それは仕事ではなく趣味である。

などなど、巷で流布されている言説を取りあげながら、ユーモアを交えながら、かつ辛口トークを展開しています。


大放言 (新潮新書)/新潮社

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