人間、社会のどこにいようと輝くことが出来ます。気持ちが落ち込んでいる人は、どんな環境でも輝いている人に触れることでパワーが回復してくることでしょう。
今回ご紹介するのが、新津春子『世界一清潔な空港の清掃人』(朝日新聞出版)です。
著者は、羽田空港の清掃員で、羽田空港が2年連続で世界でもっとも清潔な空港になった原動力です。本書では、明るく生きていく秘訣がいろいろ述べられています。
たとえば、
・新津さんは、決して順風満帆な半生を送られてきたわけではありません。残留日本人孤児二世というだけで中国でも日本でもいじめにあい、自らの居場所を見いだせずにいたそうです。さらに日本に帰国した際は十分な蓄えもなく、一時はパンの耳を食べて過ごした日々もあったと聞きました。
・あれがない、これもないと、ないものをくよくよと数えていたら、つらいだけだったかもしれません。だけど、今日よりも明日、明日よりあさって、より良くなるという希望があったから、私にとって身を粉にして働くことは苦労ではなく、喜びだったのです。
・人に言わせると私は負けず嫌いらしいんですが、自分では負けず嫌いではないと思っています。人と比べるのではなく、私は自分と自分を比べる。決めたことをやり遂げられないと、自分でイライラするんですね。
などなど、つらい境遇でも、前向きに生きてきたポジティブ思考が学びになります。
世界一清潔な空港の清掃人/朝日新聞出版
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