学童で「いじめ」が原因で来院される方があとを絶ちません。もちろん、来院される方は、いじめの「被害者」の方です。学校によっては「加害者」が分かっていても、曖昧な対応に終始して、いじめを助長していることが少なくありません。
いじめへの毅然とした対応が求められます。
そこで、今回ご紹介するのが、森口朗『いじめの構造』(新潮社)です。
本書では、著者の豊富な調査に基づき、いじめに対して表面的な解決ではなく、いじめのモデル分類(4タイプ)や発生メカニズムをクリアーに分析した上で、現実的な解決策が述べられています。
まず、いじめを解決するに当たっては、「校内犯罪」と「非犯罪いじめ」に分類した上で、前者の場合は、被害者が証拠を確実に押さえた上で、直接警察に訴えることを勧めています。校内で処理しようとすると犯罪が“もみ消されて”しまうリスクがあるのです。
後者の場合は、学校が加害者に毅然とした態度を取り、出席停止、反省文、奉仕活動などの処罰を取ります。
いじめは、絶対悪であり、きちんとケジメをつけるということが重要なのです。
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