心理学には「発達心理学」という、人間の成熟について研究する分野があります。発達心理学において、著名な研究者に、エリク・エリクソンがいます。
エリクソンは、人生を8段階に分け、①乳児期(0~2歳)=基本的信頼、②幼児期(2~4歳)=自律性、③児童期(4~7歳)=自主性、④学童期(7~12歳)=勤勉性、⑤思春期・青年期(13~22歳)=アイデンティティ、⑥成人期(23~35歳)=親密性、⑦壮年期(33~55歳)=世代性、⑧老年期(56歳~)=人生の統合、としました。
パットはつかみにくい理論ですが、分かりやすく解説したのが、佐々木正美『あなたは人生に感謝ができますか?』(講談社)です。
本書のポイントをいくつか紹介すると、
・エリクソンは、人生の各年代にはテーマがあり、それらを解決しないとクライシス、危機的な状態が訪れるというようなことを言ったんです。
・エリクソンは、相手を信じることと自分を信じることは表裏一体だと言いました。人を信じることはあまりできないけれど、自信はあるという人間は、いないんです。人を信じることはあまりできないけれど、自信はあるという人間は、いないんです。
・静かに、ひそかに、自分の存在を誇りに思うことができる。その気持ちが自信なんです。それが、乳児期からはじまっているんです。乳児期に人を信じることが、その後の人生で人を信じ、自分を信じることの基礎を作るんです。
などなど、「三つ子の魂100まで」と言いますが、人生の成熟において乳児期が大事であることがわかります。
あなたは人生に感謝ができますか? エリクソンの心理学に教えられた「幸せな生き方の道すじ」 (こ.../講談社
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