エネルギー問題 『「反原発」の不都合な真実』

2016/07/07

暑い日が続いていますが、クーラーがない生活は想像できません。便利な都市型生活に欠かせないのが、「電気」です。現在は、原発がほとんど止まっているため、石油や天然ガスによる火力発電に主に依存しています。風力発電や太陽光発電をすすめるべきだという声もありますが、原発や火力発電に取って代われるほど、発電出力がありません。

特に、今のように、火力発電だけに依存する発電システムでは心配です。停止している原発を再稼働させていくべきです。

そこで、参考になるのが、藤沢数希『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)です。

本書では、原発が、いかに安全でクリーンな発電システムであるかについて、統計データを駆使しながら、分かりやすく解説しています。

たとえば、

・原子力による発電は、石炭や石油のような化石燃料による発電より1000倍程度安全だとされています。・・・(中略)・・・プラント事故や採掘の危険性だけで火力は原子力より3桁程度危険ですし、火力発電所による大気汚染の犠牲者まで考えると4桁ほど危険になります。・・・(中略)・・・実は原子力は、風力発電や太陽光発電よりも犠牲者の数が少ないという研究結果があります。

・たとえば、原子力発電所が1基分の発電量を生み出すのに、太陽光発電では山手線の内側ほどの面積が必要になります。そのため火力発電所や原子力発電所ではほとんど無視できた、発電施設を作るのに必要なコンクリートや鉄のような材料の精算にともなう犠牲者や、建設工事の事故による犠牲者などが無視できなくなってしまうからです。

・自然エネルギーは、必然的に火力発電や原子力発電と組み合わせる必要があるのです。つまり自然エネルギーだけですべての電気を供給することはできないのです。夜には全く発電しないソーラーパネルを考えれば明らかでしょう。

などなど、「原発はとても危険!」という一般常識を覆す情報が満載です。安全で豊かな社会を後世に残していくためには、正しい情報に基づいて判断していくべきでしょう


「反原発」の不都合な真実 (新潮新書)/新潮社

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