ネトゲ依存症 『インターネット・ゲーム依存症』

2016/08/19

ネットゲーム依存(ネトゲ依存)になって「引きこもり」になって相談に来られる方が、最近増えています。

そこでおすすめなのが、岡田尊司『インターネット・ゲーム依存症』(文藝春秋)です。

本書では、ネトゲ依存症だけでなく、一般的な依存症の病態や解決策まで学べるようになっています。

たとえば、

・まず理解しておく必要があるのは、単なる過剰使用と依存症は、質的に異なるものだということだ。離脱症状や耐性といった現象は、心理的なレベルというよりも、生理的な現象であり、身体的なレベルの依存を示す証拠とされるものである。そのレベルに達すると、報酬計の機能が破綻することで、理性的なコントロールは不能に陥り、快楽や利得より苦痛や損失が大きくなっていても、その行為をやめられなくなる。

・インターネット・ゲーム依存症の背景として、まず理解しなければならないのは、他の依存症と同じく、大部分のケースは何らかの適応障害から始まっているということだ。ものごとがうまくいっているときには、たとえ依存形成が徐々に進んでいたとしても、それが生活を破綻させるほどの障害として表面化し、猛威をふるうことはない。何らかの挫折や疎外状況、ストレス状況によって、現実の生活に居場所を失い、自分の存在価値を味わえなくなることが適応障害だが、それを代償する手段として、耽溺的な行為が増加する。

・インターネット・ゲーム依存症を抑止する特性として、勤勉性が挙げられる。勤勉性の高い人では、自己コントロールが高く、他の依存症にも陥りにくい。小さな頃から勤勉性を養うことは、依存に対する抵抗力をつけることになるだろう。勤勉性とは、少ない報酬で努力する能力だと言える。幼い頃からゲームのような強い報酬を与えてしまうと、勤勉性の獲得が難しくなる。

などなど、他にも、ネトゲ依存症から抜け出すヒントが述べられています。

依存症か抜けるためには、現実のストレスを整理し、将来の目標を明確に立てることで、解決していきます。

なお、次回のブログ更新は、海外出張(南アフリカ)のため、お休みさせていただきます。大変恐縮です。


インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで (文春新書)/文藝春秋

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