考え抜く 『安売り王一代』

2016/12/16

クリスマスが近づいてきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?寒い日が続き、温かい家に引きこもりたくなりますが、できれば良書を読み込む時間にしたいものです。

 

今回ご紹介するのが、ご存じドン・キホーテの創業者、安田隆夫さんの『安売り王一代』(文藝春秋)です。

 

本書では、著者の半生を振り返りながら、ドン・キホーテをゼロから全国展開した一代記が述べられています。

 

たとえば、

 

・企業存亡の窮地に直面したのは、二度や三度ではない。もうどうにもならない。このままでは死あるのみ。ついに俺の人生も終わったか・・・・。そんな思いに駆られ、絶望の淵で苦悶することの連続だった。・・・(中略)・・・とにかく今、この瞬間を生き延びるために苦しみ抜いて考えるのだ。

 すると、ある瞬間に天啓のようなひらめきがやってくる。隘路を抜ける方策が、ハッと思い浮かぶ。半信半疑でその方策を試してみると、これが見事に当たる。そして新たな成長拡大に向かっていく・・・・その繰り返しが、私とドンキの歴史だ。危機を「禍」、成長を「福」とすれば、ドンキほど「禍福はあざなえる縄の如し」を地でいく企業はないだろう。

 

・かつてないほど落ち込んだ私が、その時に会得した、究極の「ネガティブモード脱出法」を紹介しよう。・・・(中略)・・・まず、休暇を取る。四、五日もあれば十分だろう。・・・(中略)・・・一人で自宅に引きこもるのである。昼間から雨戸やカーテンを閉め切り、じっと何もせず過ごすのだ。外出は厳禁。・・・(中略)・・・できれば布団をひっかぶって、陰々滅々とした環境の中、仕事のこと、人生のこと、将来のことを徹底的に考え抜くのである。・・・(中略)・・・この状態を三日も続ければ、突然、鬱々とした気分が劇的に晴れる時が来る。こうして落ち込みが底を打った時、人間は一気に浮上する。

 

などなど、人生の苦境のあっても、そこから目を背けず、考え抜くことの大切さが述べられています。

 

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書) 安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書)
0円
Amazon

 


アーカイブ

PAGE TOP