逆説的ですが、「死」を見つめると悔いを残さない「生」を考えるようになります。
「死」をテーマに研究したのがエリザベス・キュブラーロスです。シカゴ大学で数万人に及ぶターミナル患者にインタビューし、死に直面した人たちの気持ちを体系化していきました。
晩年の著書「人生は回る輪のように」角川文庫は、「死」を見つめ「生」を充実させる教訓に満ちています。
本書では、「死」をさなぎの孵化(ふか)にたとえています。死によって人は肉体を脱ぎ去り、蝶(ちょう)のように自由に霊的になると書かれています。
ポジティブ心理学でも、自分が死ぬときを想像して、そのとき悔いが残らないためには今どう生きたらいいかを考えていく、イメージ療法があります。
折に触れ、「死」について見つめ直して、自分の「生」を輝かせていきたいものです。
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