精神疾患と家族の接し方

2010/07/05

日々診療しているとご家族の接し方について尋ねられることが少なくありません。

うつ症状がひどいときは、「励ましてはならない」とか「重要な判断をさせてはいけない」など、注意すべき点がいくつかあります。

それでは、ほかの注意点はあるのでしょうか?

ポール・メイソン「境界性人格障害=BPD(ボーダーライン・パーソナリティー・ディスオーダー)―はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ」星和書店が非常に参考になります。境界性人格障害(BPD)を抱える家族のインタビューをまとめた良書です。

本書は、BPDにとどまらず、精神疾患を抱えるご家族にとって参考になるヒントが盛り込まれています。
ともすれば、患者さんを気遣うあまり、腫れ物に触るように言いたいこともいえない家族関係になっているケースが見受けられます。

ここでは、“Self-help”の精神が大切だと書かれています。家族の態度に左右されすぎない、安定した自己を患者さんに確立してもらうためにも、自己責任の精神が重要です。 心理学の認知モデルにも通じる観点です。

 
 

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