許しの力

2010/07/10

以前、怒りと敵意は、メンタルヘルスを落とすばかりでなく、心臓にも悪いことをご紹介いたしました。このように、怒り、敵意、憎しみ、恨みは、相手に向かうだけでなく、自分にも返ってくるため損得勘定からいったら明らかに“損”です。

怒り、敵意、憎しみを中和するのは、「許し」です。
許しの力がいかなるものか、世界的文学ヴィクトル・ユーゴー「レ・ミゼラブル」岩波文庫で描かれています。ミュージカルにもなっていています。

19年も刑務所に服役していた悪人、ジャン・バルジャンが、ミリエル司教の許しに触れ、これまでの悪業を心から反省します。ミリエル司教は、教会から銀の食台を盗んだジャン・バルジャンを怒って非難するのではなく、ジャン・バルジャンの善性を信じ、許して警察からかばってあげました。それを機に、ジャン・バルジャンは善人に生まれ変わり、市長となり、孤児を引き取って育てます。

自分が罪を犯したことがないように、相手も罪を犯すことがあります。人間、神様ではありません。
相手を許すコツは、背景にある相手の事情を理解してあげることです。盗人(ぬすびと)にも三分(さんぶ)の理(り)といいます。悪事を働くにも相応の理由があったはずです。その理由を理解してあげると、自分の気持ちも治まり、相手を許しやすくなります。

 
 

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