景気不況、左遷、リストラ、死別、離婚、破産など人生の不遇、逆境に遭いうつになって来院される患者さんが少なくありません。
こういった逆境の中こそ、人の真価が問われます。
やみくもに苦しみから抜け出そうともがくのではなく、問題を真正面から受け止め、成長の肥やしにしていく姿勢が、実は、苦境を抜ける早道です。
今回ご紹介する良書は、中島孝志「30歳から読む呻吟語 不遇・逆境なんかに絶対負けない!」マガジンハウスです。
"呻吟(しんぎん)”とは「病気で苦しんだ時絞り出るうめき声」のことだそうですが、著者の呂新吾(1536~1618年)が呻吟しながらまとめた人生の教訓集となっています。
たとえば
「不幸はたいてい安楽な生活から生じ、油断せず努力することによって免れる(まぬがれる)。
また奢侈(しゃし)な生活から生じ、質素で控えめな生活によって免れる。
さらに、欲を募らせることから生じ、足るを知ることによって免れる。
また、めったやたらと仕事を増やすことによって生じ、慎んだ行動によって免れる」とあり、生活を正す要点が述べられています。
人生の苦境は、「これまでの生活を振り返り、幸福へと向かう切り替えポイント」です。
溝の口精神科・心療内科医が教える:うつ病予防のためのヒント