この20年あまり、日本の経済発展は止まったままで、デフレから抜け切れていません。今こそ、近代日本の繁栄を創った先人たちに学ぶ時です。
そこで参考になるのが、米倉誠一郎『イノベーターたちの日本史』(東洋経済新報社)です。
本書では、欧米列強による侵略の危機に瀕した日本が、明治維新を通して、「ピンチをチャンス」に変えていった歴史が綴られています。
たとえば、
・維新後、徳川幕府の優柔不断を「尊皇攘夷」を叫んで責めていただけの若き志士たちは、列強とさまざまな交渉を進めるうちに、一転自らを国際的な外交官や経済官僚にまで変貌させていった。
それだけではない。彼らは「士族という倒幕主体でありながら封建勢力の一部」でもあった自らの下位層を有償で廃絶したうえで、殖産興業の担い手に変身させるという離れ業まで見せてくれるのである。
とある。現代日本も、北朝鮮の核ミサイル問題や中国の尖閣諸島侵犯などの外憂を抱えていて、経済的な内憂だけではありません。今こそ、創造的対応が求められる時です。