当院でも、
うつの方は患者の6~7割を占めています。もともとの性格が原因の
「抑うつ神経症」と現在のストレスが原因となっている
「適応障害」に分けられます。もちろん、この2つはきれいに分けられるものではなく、混合しているケースが少なくありません。
今回ご紹介するのが、
ペク・セヒ『死にたいけどトッポッキは食べたい』(光文社)です。
本書は、著者の
うつ病闘病記ですが、病歴がわかりやすく書かれていてベストセラーになっています。
たとえば、
・
自己肯定感が低いのは、
家庭環境のせいだと思います。子供の頃から母はいつも「うちは貧乏だ、貧乏だ。お金がない」が口癖でした。・・・(中略)・・・父は母を殴っていました。夫婦喧嘩といえば聞こえはいいのですが、ただの
暴力です。
・やはり、問題は自己肯定感だ。私は自己評価がとても低いために、
他人に評価してもらって満足感を得るのだという。・・・(中略)・・・あれもこれも、すべて他人の目を通して自分を見ているからだ。結局、私が私自身の評価を下げているのだ。
といった具合です。精神医学では「
自尊心が向上すれば、どんなメンタル疾患でも治る」とされています。他人からの評価ではなく、自分自身が自分のことをほめてあげなくてはいけません。結局は、
自分を好きになることです。
溝の口精神科・心療内科医が教える:うつ病予防のためのヒント