不安障害

パニック障害

パニック障害とは、心に余裕がない時、強い不安を感じる感情障害で、不安神経症の一部です。45人~62人に1人の割合(1.6~2.2%)で、男性より女性のほうが約2倍かかりやすいとされます。

狭い場所や人ごみなどのちょっとした刺激で呼吸困難感、動悸(どうき)、過剰発汗などのパニック発作を起こすようになります。また、発病原因もさまざまで「もともとの神経質な性格が影響して、徐々に余裕がなくなっていった」、「何か大きな事件が起きてストレスとなっている」などお一人お一人心理・社会的背景が違います。

肝要なことは、なぜパニック発作が起こるほど余裕がなくなったのかを自己分析することです。

具体的な症状として、動悸(どうき)、発汗、ふるえ、息苦しさ、窒息感、胸痛、吐き気(嘔気)、めまい、ふらつき、死への恐怖、冷感・熱感など

続いてその発作が再発するのではないかと恐れる「予期不安」と症状の慢性化。
さらに長期化すると、症状が生じた時に対処できない場所(バス、列車、自動車などの狭い場所や人ごみなど)を回避して、生活範囲を限定する「広場恐怖症」が生じてきます。

 
当院におけるパニック障害の治療
薬物療法では、ベンゾジザゼピン(不安、興奮を抑える物質)などの抗不安薬を用います。発作予防には選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が世界の第一選択薬となります。
非薬物療法では、暴露反応妨害法(暴露療法)などの認知行動療法、呼吸法、筋弛緩法などが効果的です。

HSCでは、薬物療法にくわえ、漢方などの代替相補医療も施します。副作用が少ない、体に優しい治療を心がけています。
また、HSC集団心理療法とHSCカウンセリングに参加していただくことで、お一人お一人の心理・社会的問題の整理のお手伝いをしてまいります。

心的外傷後ストレス障害(PTSD) 

災害(地震、洪水、火事など)、犯罪(テロ、監禁、虐待、強姦など)、人災(事故、戦争など)といった生命の危機、重症を負うような出来事・体験が心の傷(トラウマ)となり、後に様々な心身の異常をきたす疾患です。

症状として、事故・事件・犯罪の目撃体験などの追体験(フラッシュバック)やパニック症状がおこります。

こういった症状が1カ月以上続く場合をPTSDと診断し、1カ月未満では急性ストレス障害(ASD)と診断します。

 
当院におけるPTSDの治療 
当院(HSC)では、従来の薬物療法に加え、HSCカウンセリングやHSC集団心理療法によってこころの傷をいやしてまいります。
希望、感謝、許し、楽観主義など人間のポジティブな側面に光を当て、それを最大限引き出すことで、ネガティブな心の傷に打ち勝っていきます。

全般性不安障害(GAD) 

ふと、理由なくコントロールできない不安が長期間続き、ついには日常生活にも支障をきたすようになります。
不安神経症の一部です。

全般性不安障害の患者数はパニック障害の患者数より3~4倍多いとされ、100人に6人くらいが経験し、まれな病気ではありません。

抗不安薬(ベンゾジアゼピン)抗うつ薬(SSRI)などの薬物療法で不安を軽減します。

 
当院におけるGADの治療 
当院(HSC)では、世界標準の薬物療法に加え、HSCカウンセリングやHSC集団心理療法に参加することで不安にかかわる心理・社会的問題を整理していきます。

全般性不安障害(SAD)

「社交不安障害」ともいわれ、よく知らない人たちの前や他人の注目を浴びる状況で過度に緊張してしまい、社会生活が妨げられる病気です。

いわゆる、「あがり症」、「赤面恐怖症」、「視線恐怖」、「吃音(どもり)」、「緘黙(かもく)」もここに含まれます。緊張、恐怖が高まり、パニック発作を誘発する場合もあります。また、社会不安障害(SAD)は、引きこもりの原因ともなっています。

生涯有病率は、3~13%と報告されており稀(まれ)な病気ではありません。
男女比では、若干男性の方が多いとされています。
年齢では、思春期の15歳前後や、管理職となり人前で話す機会が多くなる30~40歳ごろに発症が増えます。

 
当院におけるSADの治療 
治療では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が世界の第一選択薬となります。
一般に認知行動療法が有効とされていますが、当院(HSC)では、過剰に緊張する認知の修正に加え、自分への自信を取り戻していただくポジティブ心理学を取り入れた心理療法をおこないます。

この自信を取り戻すことで、他人の評価に過剰反応しない自分へと生まれ変われます。

強迫性障害(OCD) 

強迫症状は、強迫観念と強迫行動に分けられる、「コントロールしがたい強いこだわり」です。

強迫観念(きょうはくかんねん)とは自分の意思とは無関係に浮かぶ不快な考えやイメージです。

強迫行動は手洗い(不潔強迫、潔癖症)、カギの確認(確認強迫)、ある言葉を繰り返す、順番を並べるなどの過剰な反復行為です。
生涯有病率は2%前後で、男女比では、若干女性が多いとされています。ただ、児童・青年期では男性に多い傾向があります。

 
当院における脅迫性障害の治療 
治療では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が世界の第一選択薬となります。行動療法では暴露療法(エクスポージャー)と儀式妨害を組み合わせた方法が用いられます。

暴露療法とは、恐れている不安や不快感が発生する状況に自分を意図的にさらすもので、儀式妨害とは、不安や不快感が発生しても、それを低減するための強迫行為をとらせないという手法です。

当院(HSC)では、こういった標準的薬物療法と行動療法に加え、その極度にこだわってしまう強迫症状の心理・社会的背景を整理していきます。
完璧主義者が少なくありませんので、HSC集団心理療法やHSCカウンセリングで焦らず、さわやかな自分へと生まれ変わっていただきます。

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