LGBTQ 『トランスジェンダーになりたい少女たち』

2024/04/19

当院では、LGBTQの心理相談にも乗っており、以前の本ブログ「性的違和感 『「LGBT」隠された真実』」(→こちら)でもまとめています。

ただ、LGBTQに関しては、「ヘイト問題」も絡んでいて冷静な議論が求められます。昨年、反対に遭って出版が断念された『あの子もトランスジェンダーになった』(角川書店)が、『トランスジェンダーになりたい少女たち』(産経新聞社)という書名に変わって本年出版されました。

早速私も読んでみましたが、ヘイト的な記述はなく、きわめて客観的で、学術的な内容になっています。出版に反対した人たちが、きわめて感情的で、偏見に満ちていることが明らかとなりました。また、理不尽な反対により出版を断念した角川書店の弱腰にも失望です。

本書を読めば、「性的違和」が安易に診断されるべきではなく、病歴から慎重に診断されるべきだと分かります。

特に、思春期から突然始まった性的違和感は誤診することがあり、「本来、性的違和は生まれながらの特徴(症状)である」という疾患概念(『カプラン 臨床精神医学テキスト』)を充分念頭に置いておく必要があります。
 


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