お薬を内服することに抵抗がおありになる方は、少なくありません。
では、どうしてお薬を使いたくないのでしょうか?妊娠や授乳を希望しているから、副作用が怖いから、薬嫌いだから、これまでの薬物療法で効果がなかったから、こころを治すのに薬を使うのがおかしいから、こころの病気だからカウンセリングで考え方を整理しないと治らないから、周囲の環境が原因なのでこれを整理しないと治らないから、などが理由として考えられます。
妊娠するときや授乳するときにはお薬は服用なさらない方がよいので、その場合には、医師にお申し出いただければ、ご希望の時期に合わせて治療のスケジュールを立てさせていただいております。ただ、ご妊娠の予定が数年先、などという場合はお薬を内服されても、ほとんど問題にならないので、ご心配なく必要であれば服薬していただくのがよいと思います。
また、どうしても薬物療法を避けたい挙児(きょじ)希望の女性には、漢方もご用意しております。
「こころの病気の大半は、脳の機能障害に起因しているので、脳の機能障害の改善には薬が必要である」という過激な主張は、学術的根拠がありません。たしかに、薬物療法は症状を軽減し、「精神的余裕」を作るためには有効な対処療法(たいしょりょうほう)です。
しかし、根治療法(こんちりょうほう)には、心理療法により病気の原因となった「認知」(にんち)の修正が必要です。
認知とは、“考え方のパターン”、“考え方のクセ”と言いかえると分かりやすいでしょう。HSCカウンセリングやHSC集団心理療法ではご自身のこころを自分で把握できるように内省(ないせい)を深め、ご自身で問題を解決できる知恵をみがき、自分自身の成長を促します。
その結果、お薬をのまなくても、ご自分のこころを“自己コントロール”することで症状をなくすることができるのです。
通常の治療プロセスは、①薬をのんで精神的余裕をつくったのち、②カウンセリングや集団心理療法でこころの整理をすすめ、③お薬に頼らない元々のお体にもどしていきます。また、当院では向精神薬(こうせいしんやく)を用いた薬物療法にこだわりません。
皆さまのご希望をよくお聴きして、最善の治療パッケージをご提案いたします。