最近、世界的な数学者の岡潔の著書を何冊か読みました。今年2月には、読売テレビ開局60年記念ドラマ「天才を育てた女房」として伝記ドラマが放映されています。数学者にもかかわらず、人生や宗教の深い話をしていて学びになりました。どの道でも極めていくと通じてくるのでしょう。
今回ご紹介するのが、岡潔『数学する人生』(新潮社)です。
本書の一部を紹介すると、
・日本は終戦後アメリカから大量に「唯物主義」と「個人主義」を取り入れたため、澄んでいたはずの心の世界が、次第に濁り始めています。物質には心がない、と思うのが唯物主義で、この肉体の中だけが自分だ、と思うのが個人主義ですが、唯物主義も、そこから出てくる個人主義も、人には非常に有害なのです。
・自然科学は非常に価値のある、重要な二つの結果を得ています。まず第一に、不安定な素粒子の発見によって、五感で分からないものがあるということを示しました。しかもそれを、理性で分かるような形で述べました。・・・(中略)・・・第二に彼らは、五感で分かるものだけをいくら丁寧に調べても、いつもで経っても生命現象は一つも分かってこないということを、実際にやってみせることによって実証しました。
などなど、理系頭脳からの目の覚めるようなコメントが刺激的です!